整形外科 内科

肘・手の症状

腱鞘炎

肘

腱鞘炎とは、指や手首、足首を曲げる働きをしている腱と腱を包んでいる腱鞘が炎症を引き起こしたことを言います。

そもそも一般的なイメージとしては、「手や指に炎症を起こす疾患」と考えている方が多いと思います。
しかし腱鞘炎は手や指ばかりでなく、足や肘、腕全体にも炎症を引き起こす疾患です。

軽度の症状であれば、しばらくの間、放置状態を続けてしまう人が多いですが、
早い時期に正しい治療をしないと、知らぬ間に症状はどんどん悪化してしまいます。

▶︎ 腱鞘炎の症状

・少し力が入っただけで痛む
・力を入れることが出来なくなる
・痺れを感じる
・手首が腫れて熱を感じる
・指の関節に針を刺されたような痛みが走る症状
・動かさなくても手首に鈍痛が続く
・物を持つことが出来なくなる
・パソコンや文字を書く事ができない

▶︎ 腱鞘炎の原因

一般的には、手や指を使い過ぎることで発症すると言われております。

ピアニストや美容師、パソコンキーボード(使い過ぎ)など職業病とも言われております。
今ではパソコンやスマートフォン等の普及によって、キーボードやメールを打つ機会やその時間がどんどん増えています。
そのため、仕事でパソコン作業を日々している人など、タイピングによる指の使いすぎによって腱鞘炎になりやすいといわれています。

その他、本人の筋力に対して大きな負担が長時間に渡ってかかる場合や、運動不足などがあります。

変形性肘関節症

変形性肘関節症とは、肉体労働を続けた高齢の男性に多く、肘の軟骨がすり減ったり骨の変形が生じる病気です。

▶︎ 変形性肘関節症の症状

変形性肘関節症の症状は、関節が変形するのに伴い、肘の痛みが徐々に発生します。
肘を使わないときは痛まないことが多く、長時間の作業やスポーツなど肘関節に負担がかかった時に、痛みが生じます。
変形性肘関節症を治療せずに放置していると、肘の変形が進み、肘を完全にのばせなくなったり、洗顔や食事、衣服の着脱など日常の動作に支障を来たしたりするようになります。
また、肘の変形や骨棘などが原因で尺骨神経が障害されると、小指と小指側の薬指半分にしびれが現れ、手の筋肉が萎縮する肘部管症候群が生じる場合もあります。

▶︎ 変形性肘関節症の原因

原因不明で加齢に伴う一次性変形性肘関節症と、何らかの原因で起こる二次性変形性肘関節症があります。
二次性の原因としては、肘関節内骨折、脱臼などの外傷や、大工仕事、野球などで肘関節の酷使することで起こるもの、関節炎、血友病や先天異常などがあげられます。
大半は肉体労働や激しいスポーツなどで長期間肘を酷使し続けてきた人に多く発生します。

野球肘

野球肘は、ボールを投げすぎる事により肘に起こる痛みです。
リトルリーガー肘、ベースボール肘ともいいます。

野球選手に多く、悪いフォームによる長期間の投球や、投げ過ぎなどで肘に負担がかかることによって起こります。
上腕骨がまだやわらかい小学生〜成長期に多く、上腕骨が内側障害を起こします。高校生〜社会人の野球肘は、上腕骨ではなく肘の内側に大きな負荷がかかり、靭帯が痛むことによって起こりやすくなります。

▶︎ 野球肘の症状

野球肘の症状としては、投球時や投球後に肘の痛みが3週間以上続きます。

  • 肘の伸びや曲がりが悪くなる
  • 投げる際にひっかかる感じがする
  • 急に肘が動かせなくなる など

の症状があれば、野球肘を疑います。

しかし、初期の頃は症状がわかりづらいため、かなり進行してから気づくことも多いので、定期的にスポーツドクターに検診を受けることが大切です。
診断には、初期はX線でわかりにくいため、エコー(超音波診断)やMRI検査を行います。

テニス肘・外側上顆炎

肘の外側にある、骨の隆起部分についている筋肉の使い過ぎによる炎症です。

テニス選手に多いため別名

『テニス肘』とも言われていますが、最近ではテニス選手だけでなく、パソコンの普及により手作業の多い職業の人や主婦にも多くみれれます。

この痛みは、手首や指を伸ばす筋肉や手首を外側に捻る筋肉の使いすぎによって、肘の外側の外側上顆に炎症が起こることによって、起こります

▶︎ テニス肘・外側上顆炎の症状
  • 動かすと肘の外側が痛い
  • 肘だけでなく腕全体がくにぶく痛い
  • 物をつかんだり、荷物を持つときに痛い
  • 雑巾を絞るとき痛む
  • ドアノブを回すとき痛む

の症状があれば、テニス肘・外側上顆炎を疑います。

パソコンを使う人が増加したことがきっかけとなって、誰もが普通にかかる疾患となってきております。